今回は、毎日の生活に欠かせないスーパーマーケットでできる「エシカルな選択」をご紹介します。食料を買うのにスーパーを購入先として選ぶ総世帯は約6割にもなり、年齢問わず多くの人々が利用しています。私たちの暮らしに密着しているスーパーでエシカルな選択ができれば、社会や地球環境へ良い影響を与えられるでしょう。この記事では、どのようにスーパーで行動すればエシカルな選択や行動につながるのか一つ一つ解説していきます。
1. 地産地消をする
地産地消とは?
地産地消とは、地域で生産された農水産物などをその地域で暮らす人たちで消費すること。地域の活性化や食料自給率の向上につながり、輸送にかかるエネルギーを削減できます。
地産地消のように生産者と消費者が交流するとお互いの顔が見えるため、消費者は商品を安心して買うことができ、生産者は消費者のニーズを知ることができて生産意欲を高められます。
スーパーマーケットでの地産地消のポイント
スーパーで買い物をするときは、農産物は地元産のものを選びます。購入しようとしているものが、どこで誰が作ったものかを確認して、暮らしている地域で作られているものがあれば、優先的に選ぶようにしましょう。
地産地消を検討するときは、「その農産物がどのくらい環境に影響を及ぼして作られたのか」を考えながら買い物をするとなお良いです。野菜や果物などの農作物や家畜の牛・豚を育てるには、温室効果ガスを排出します。食材を選ぶときに出来るのであれば、排出量が少ない食べ物で献立をたてるようにしましょう。
牛肉1kgは生産してから消費者に届くまでに60kgの温室効果ガス(二酸化炭素換算)が排出するのに対し、トマトは1.4kg、豆は1kgです。植物性に比べて動物性食品の方が排出量が多くなるので、なるべくお肉や乳製品の食べる回数を減らしたり、もしお肉を食べる場合は、環境負荷の高い牛肉よりも鶏肉や豚肉・卵を選ぶことで、温室効果ガスを削減できます。
2. 応援消費をする
応援消費とは?
応援消費は、2011年に発生した東日本大震災をきっかけに広く使われるようになった言葉で、被災した地域の食べ物や飲み物、雑貨等の商品、野菜や魚介類などの特産品を買って被災地の復興を応援することです。最近では、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けた生産者や飲食店などを支援する動きがあります。ふるさと納税やクラウドファンディングといった様々な方法で支援することができます。
スーパーマーケットでできる応援消費
スーパーで応援消費をする方法は、地震や水害などの災害を受けた被災地で生産された食品を買うことです。食品を手に取ったときに、どこで作られたのか生産地を確認してみましょう。スーパーでご当地フェアを行なっていることもありますので、そういう機会に被災地の特産品を買うのもいいかもしれません。また、昨今は新型コロナウィルス感染拡大の影響で困る生産者への応援消費の動きも広がっています。コロナ禍で外食・観光産業が冷え込み、学校給食が休止になったりと売上げが減少していることから、スーパーではこのような生産者支援のために地域の野菜・果物・鮮魚・牛乳などを販売することがあります。その際は積極的に購入するようにしましょう。
外国産の食品を応援することもできます。2021年3月に中国政府が台湾パイナップルの輸入を停止したことを受け、それまで中国に9割を輸出していた農家の方々を日本で支援しようと「台湾のパイナップルを食べよう」という取り組みが広がりました。このように、国産に関わらず何処かで困っている人々を応援したいという気持ちでお買い物をすると、その行動が誰かの助けにつながります。
3. 賞味期限、消費期限を確認する
賞味期限の確認は、食品ロス削減につながる
令和元年の食品ロスは、家庭から約261万トン、事業者からが約309万トンで合計約570万トンでした。食品ロスとは、食べ残しや売れ残りなどの理由でまだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことを言います。この食品を減らすために、スーパーマーケットでできることがあります。
まずは棚から商品を取るときには、手前から表示期限(賞味期限・消費期限)の近いものを取るようにします。ただし、まとめ買いをする場合は、まとめ買いをする日数分の献立を決めてから、その食品が表示期限内に使い切れるかを確認して購入しましょう。
値引きの品を買うことも、食品ロス削減につながります。賞味期限や消費期限が近いものは、おつとめ品や見切り品として値引きして販売されていることが多いので、すぐに食べるときは値引き商品を積極的に購入すると、商品の売れ残りを減らして食品ロス削減に貢献します。
必要な分だけ買って食品ロス削減
せっかく買っても使わなかったり、買い過ぎて食べれなかったりすると、その食品が無駄になってしまいます。スーパーへ買い物に行く前に、どのくらい食品が残っているか冷蔵庫とパントリーを確認しておき、献立を立てて必要な分だけ買うようにしましょう。
4. 商品のパッケージ(容器・袋)を確認する
過剰包装の商品を避ける
日持ちするものは大容量商品を買う
プラスチック包装を避ける
有機野菜とは、化学肥料や農薬に頼らない農法(=有機農業)で栽培した野菜のこと。化学肥料や農薬を使用した場合、化学肥料の場合は作物に吸収されないと農地外へ流れ出て地下水を汚染したり、土壌中で温室効果ガスを発生させます。農薬も自然環境を汚染して[…]
5. 認証マークを確認する
商品のパッケージを見ると、認証マークやラベルが付いていることがあります。認証マークの多くは厳正な基準を守っていないと取得できないので、企業がその商品に対してコストや手間をかけたことが分かる目安となります。認証マークを見かけたら、それが何を意味するのかを調べてみると良いでしょう。
認証マーク | 説明 |
有機JAS認証 | JAS法(日本農林規格等に関する法律)に基づいて有機JASに適合した生産が行われていることを、登録認定機関が調査・認定をする制度のこと。認証された生産者や事業者のみが、有機JASマークの使用を認められています。 |
レインフォレスト・アライアンス認証 | 森林や生態系の保護、土壌や水資源の保全、農園の労働環境、土壌や水の天然資源などについて厳しい基準を満たした農園にのみに与えられられる認証マーク。 |
国際フェアトレード認証ラベル | 原料の生産・輸出入・加工・製造のすべての工程で、国際フェアトレードラベル機構が定めた基準が守られていることを証明するラベル。 |
MSC認証 | MSC「海のエコラベル」は持続可能で環境に配慮した漁業で獲られた水産物の証。 |
ASC認証 | 自然環境の汚染や魚の乱獲防止、労働者や地域の人に配慮した責任ある養殖によって生産した水産物であることを第三者が認証した商品に付けられるマーク。 |
MEL認証 | 魚をとりすぎない漁業、環境や生態系に配慮した管理を行う漁業・養殖業と、水産物を加工・流通する事業者を認証する水産エコラベル。 |
FSC認証 | きちんと管理された森林の木材とその木材からできた製品を証明するラベル。 |
エコレールマーク | 一般消費者の目に触れにくい商品の流通過程で、輸送時に環境に優しい貨物鉄道を一定割合以上利用している商品や企業が認証を受けられ、マークを使用できる。輸送手段に鉄道を積極的に利用することで、トラックなどに比べてCO2排出量を減らすことができる。 |
6. マイバッグ・袋を持っていく
「プラスチック」は私たちのふだんの生活で、さまざまな形となって利用されています。そのプラスチックが、環境問題へ発展していることをご存知でしょうか。なかでも、目に見えないほど小さいプラスチック=マイクロプラスチック(微小なプラスチック)は、地[…]
まとめ
英語で『倫理的な、道徳的な』という意味のエシカルは、分かりやすく言うと『多くの人が公平で良心的な行動だと思うこと』です。そんなエシカルは、言葉だけを聞くと難しく感じられるかもしれませんが、自分の暮らしの身の回りにあることから始められ[…]
世界の海洋に放出されたマイクロプラスチックのうち約35%が、私たちが洗濯した合成繊維の衣類から流出し、海を汚染しています。衣料品の約60%が合成繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリルなど)と言われているため、マイクロプラスチックを減らすには[…]