普段よく利用する乗り物は何ですか？通勤・通学では電車やバス、旅行では飛行機など、人それぞれ仕事内容やライフスタイルによって交通手段が変わると思います。日々何気なく利用している乗り物ですが、選択するものによって環境に与える影響は異なります。今回は乗り物別の二酸化炭素排出量を見ながら、環境にやさしい交通手段をどのように選べばいいのかについて解説します。
二酸化酸素は地球温暖化の原因に
地球温暖化の原因となる温室効果ガスの中でも、二酸化炭素の増加は温暖化へ影響を与える大きな要因となっています。地球温暖化は気温を上昇させるだけでなく「気候変動」を引き起こし、深刻な干ばつ、水不足、海面上昇、野生生物の生息地を消失し生物多様性を減少させるなど、様々な影響を及ぼす可能性があります。
地球の平均気温は14℃前後ですが、大気中に温室効果ガス（二酸化炭素、水蒸気、メタンなど）がない場合は、マイナス19℃くらいになります。大気中の温室効果ガスがバランス良い状態であれば、地球環境に住む生物にとって住みやすい温度を保てますが、18世紀の産業革命以降、産業が発達したことで二酸化炭素などの温室効果ガスを大量に放出するようになり、大気中の濃度が高くなって熱の吸収が増えた結果、気温上昇（温暖化）が急速に進み始めました。
乗り物別、二酸化炭素排出量
ここでは、乗り物別のCO2排出量を見ていきます。どの乗り物が環境負荷が小さいまたは大きいのか、これから解説する内容を参考に、今後利用する乗り物を選んでいただけたらと思います。
CO2排出量は自家用車が2番目に多い
日本の2020年度の二酸化炭素排出量（10億4,400万トン）のうち運輸部門の排出量（1億8,500万トン）は17.7％を占めています。そして2020年度の輸送量あたりの二酸化炭素の排出量のデータを見ると「飛行機」がもっとも排出量が多く、わずかな差で「自家用車」が2番目に多いという結果が出ています（下図）。航空、自家用車、バス、鉄道の乗り物の中では、「鉄道」が一番環境負荷が小さく環境にやさしい乗り物ということが分かります。
家庭からのCO2排出量、自動車が2番目に多い
2020年の家庭からのCO2排出量は、「照明・家電製品などから（32.4％）」に次いで2番目に「自動車からの排出量（22.7％）」が多く、全体の2割を占めます。私たちが少しでも生活の中でCO2の排出を抑えて地球温暖化を防ぐためには、交通手段の見直しが必要です。環境省のサイトでは、移動をエコにする『スマートムーブ』を提案しています。一人ひとりができることから、はじめられたらいいですね。
環境にやさしい乗り物はどれ？
自転車や徒歩が最も環境にやさしい交通手段と言えますが、遠方に行く時は他の乗り物を利用しないと移動が難しいでしょう。なので、長距離移動の場合は、なるべく電車やバスなどの公共交通機関を使うようにし、短距離のときはCO2を排出しない自転車を利用するなど工夫し、場面や状況に応じて最適な環境負荷の少ない乗り物を選択します。
自転車や徒歩で移動するようにすると、適度な運動になって健康の維持に役立ちます。自転車通勤を20歳から60歳の定年まで40年間続けた場合、生涯で200リットル（ドラム缶100本分）ものガソリンを節約することができます。
どうしても自家用車で移動しなければならないという時は、エコドライブを心がけたり、車を乗り換えるときはハイブリッド車やEV車などのエコカーを選ぶようにしましょう。エネルギー消費が抑えられるので、ランニングコストを節約できます。
ウォーキングが楽しくなる、おすすめスニーカー
サステナブルなスニーカーを履いて、通勤・通学、休日など毎日のお出かけやコーディネートを楽しみませんか？ここでは、毎日履きたくなるような、おしゃれなスニーカーを紹介します。
VEJA（ヴェジャ）
VEJAは、フランス発のスニーカーブランド。環境や、生産者や職人などの人を大切にしたものづくりをしています。
スニーカーに使われる素材は、ブラジルとペルーで生産した「オーガニックフェアトレードコットン」や世界で唯一ゴムの木が自生するアマゾンの「天然ゴム」等で、フェアトレードの原則を採用し、持続可能な生産ができるように団体や組合から直接購入しています。リサイクルコットンやリサイクルペットボトルを使用した100％リサイクル素材のアップサイクル・スニーカーも取り扱いがあります。
VEJAは生産者との契約内容や工場との見積書、化学物質の安全性を確認する試験結果などをホームページ上で開示している、透明性が高いブランドです。
NOVESTA（ノヴェスタ）
1939年に旧チェコスロバキアで誕生したNOVESTAは、ラバーブーツやランニングシューズなど様々なフットウェアを創業時から作り続けているブランドです。ほぼ全ての製品に天然ゴム、綿やリネンといった天然素材を使用し、生産工程の9割は職人によるハンドメイドで作られています。ゴムの端切れは捨てずに、リサイクルして新たなラバーシートとして再生利用しています。
adidas（アディダス）
アディダスは環境に配慮したサステナブルな製品を作るため、様々な取り組みを行なっています。2021年に生産したアディダス製品の10品目中6品目が持続可能な素材で作られているという発表もありました。2024年までに全てのシューズやアパレル製品に、リサイクル（再生）ポリエステルを使用することを目標とし、バージンポリエステルの使用削減を目指しています。また動物性素材の使用も減らしています。
＼ウルトラ 4DFWD／
まとめ
どこかへ出掛ける時、どんな人でも必ず目的地までの交通手段を考えて移動すると思いますが、移動手段を選ぶときに今回紹介した「CO2排出量の少ない乗り物や移動方法」を少し意識するだけで、環境にやさしい行動ができます。一人ひとりの日々のちょっとしたことの積み重ねが、地球の未来を変えます。
天気の良い日は歩いたり、自転車に乗れば良い運動にもなります。時間に余裕をもつ必要がでてきますが、心にゆとりが出来たり、いつもと違う景色を楽しめたりと素晴らしい出会いがあるかもしれませんよ。
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