「裂き編み」とはハギレや着れなくなった服などを裂いて編む、編み物のこと。色んな種類の布を裂いたテープを使って編むので、不揃いな風合いが可愛らしい、裂き編みならではのテイストを楽しめる作品が出来あがります。使う布は布端の処理が不要なので、切りっぱなしでOK。布の耳もそのまま使えるので、無駄が出ません。
1日あたりに焼却・埋立てされる衣服は1,300トンと言われています。年間一人あたり12着の服を手放していますが、手放された服がリサイクルやリユースされて使われるのはわずか34%で、残り66%はゴミに出されて処分、埋立てされています。裂き編みは、着れなくなった服や余った布を使って編むのに適した編み方なので、最後まで服やハギレを使うことができ、裂き編みで違うモノの形に変えて、新たなモノとして使えるようになります。
今回は、私が実際に作った「裂き編みコースター」と「使用した道具と参考にした本」をご紹介します。裂き編みの素晴らしさを一緒に見ていきましょう。
まずは準備、裂き布テープの作り方
布の選び方
裂き編みに使う布は、裂きやすくい薄い綿生地がおすすめです。裂き編みは幅広のテープを編むので、厚みのある生地を使うと編むのがとても大変です。出来上がりの作品も重たくなるので、くたくたに着古したワイシャツや、パジャマ、シーツなど、やわらかい布を選ぶと編み物がしやすくなります。
布の裂き方
裂き布テープの作り方には、手で裂く方法とハサミでカットする方法があります。布を裂くと、ホコリが舞い散るのでマスクや換気をしながら作業をしてください。手で裂くとハサミでカットするよりも、ほつれが出てやわらかな印象になります。
手で裂く方法
- 布端から1cm〜2cm幅(作品によって異なる)に約2cmの切り込みを入れます。(布目の方向に決まりはありませんが、縦方向の方が裂きやすいです。)
- 布を勢い良く引っ張って裂きます。裂いた時に出るほつれ糸が気になる時は、ハサミでカットするなどして取り除きます。
- 最後まで裂かずに、布端を0.5cm〜1cm残します。
- 反対側から切り目を入れて、②と同様に裂きます。裂き終えたら、テープを丸めておきましょう。
※繰り返し布を裂いていくと、このような感じになります。
ハサミでカットする方法
- 布端から1cm〜2cm幅(作品によって異なる)にチャコペンで印をつけて、まっすぐ切ります。
- 最後までカットせずに、布端を0.5cm〜1cm残します。
- 両側から交互にカットして布テープを作ります。
- 最後にテープを丸めておきましょう。
裂き布テープを縫いつなぐ方法
布テープの長さが足りない場合は、縫いつないで必要な長さを足します。2本のテープの布端を約2cm重ねて、手縫いかミシンで縫いつなぎます。一気につながないで、2、3段ずつ編んでからつなぐようにします。
裂き編みコースターを編む様子の動画
私が裂き編みコースターを実際に編んでいる様子を、動画にまとめています。よろしければご覧ください。
【前編】裂き編みコースターを編んでみた。
【後編】裂き編みコースターを編んでみた。
裂き編みコースターを作ってみましょう
ここでは、裂き編みコースターと、コースターを編むために必要な道具と参考本をご紹介します。裂き編みコースターは「細編み」という基本的な編み方で、編む段数も少ないので初心者の方でも安心して編むことができる作品です。裂き編みやかぎ針編みが初めての方は、まずコースターを編んで練習すると良いかもしれません。
準備するもの
- 布(薄手のコットン生地がおすすめ)
- 10/0号 かぎ針
- とじ針
\おすすめ「とじ針」/
参考になる本
私が編んだコースターは、「裂き編みでつくる暮らしの雑貨」の本に掲載されている「01コースター」の作り方を参考にしました。
\かぎ針でつくるかわいい裂き編み小物/
\裂き編み雑貨/
「裂き編みコースター」を編みました
裂き編みコースターに使う布は、1種類でも良いですが、布の長さが足りなかったりアレンジしたかったら数種類を組み合わせて編んでも良いです。私は2つのコースターを作りましたが、どちらも3種類の布テープをつなげています。布の耳の部分も無駄なく使い、生地をなるべく捨てないようにしました。耳は少し硬かったり、フリンジになっていたりするので少しだけ編みにくいですが、力加減を調節すれば、きちんと編めます。
私が作ったコースターは5段編むだけで完成したので、かぎ針編み初心者の方におすすめしたい作品です。裂き編みは、家にある服や布を使って編めるので、新しく生地を揃える必要はありません。今あるものが不要になったら新しい形に変えて、長く大切に使いましょう。
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